マスターズ陸上
やってやれないことはない。
オトウチャンの人生の師は、いつも「やってみせ」てくれた。一番分かりやすい教えだった。
だから自分もそうありたいと、いつも心に思いながら、中年魂を燃やして子供たちと接する。
でも、着実に成長の階段を上がる子供たちに反して、むしろ階段を踏み外し、不格好に転げ落ち、カッコ悪い傷を増やしながら、自分の不甲斐なさに嘆く日々。仕舞いには彼等の若さに対して、嫉妬に近い対抗心を燃やす始末。大人げない。
でも思い出した。師はいつも言っていた。お前には負けないって。
そう言いながら自分の心に打ち勝ってきたのだろう。
情熱は年齢の壁を超えることを、今こそオトウチャンは信じたい。
今日、マスターズ陸上に初参戦してきた。
オトウチャン(R41)などこの世界の重鎮からしたら、いわば子供同然だろう。
Legendの発する柔らかくも鋭い眼光に、競技人生に対する情熱を垣間見た気がした。
そんなことを思いながら会場を歩いていると、譜久里武さんを見かけた。
日本人の40代で100mを初めて10秒台で走り、朝原宜治さんや武井壮さんとリレーでマスターズ世界一になったその人。
沖縄からやってきたヒーローはとても気さくな方だった。
写真を見て思った。
やってやれないことはない…。
とりあえず今日からだ。
(終わり)
息子の試合 其の2
先週末(9/7)、息子の試合(陸上・幅跳び)があった。
オトウチャン、色んな挑戦をしてきて思うことがある。
どんなに意気込んだとしても、どんなに祈ったとしても、試合も試験もできることしかできない。
だからこそ、できること(今)に心を集中させることが、とても大切であった気がする。
これだけやってきたのだから、という割り切り、これが第一段階。
しかし、難易度が高い挑戦になるほど、それを思うことすら邪念に感じるようになった。
イメージすら持たない。その心の状態は「無」に近い。
いつか子供にそんな話を伝えてみたい。
オトウチャンとして、同じスポーツをやっていた(る)ものとして、子供たちが能力を発揮できるために、何がしてあげられるだろうか、いつも考える。
オトウチャンの場合、その答えは、心の状態をよく見てあげること。
「今できることをしっかりやろう…」
この日、約80人の小学生が幅跳びにエントリー。高学年の子供たちに交じると、120.9㎝の小さい身体は一際目立つ。しかし、助走路に立った息子を見てオトウチャンは思った。
「良い感じだ…」
結果は3m09cm、自己ベストを更新した。
夏の炎天下、一緒にたくさんの汗を流して砂場にダイブしてきた息子。
その姿が目に浮かんだ。
秋の大会はまだ続く。
(終わり)
雨の日
久々に出先でブログ。
雲行きが怪しいと思ったら、雷がピカっている。
雨脚も強くなってきた。嵐になりそう。
そういえば、今日とあるトレーダーがつぶやいていた。
プロは嵐の危険性よりも、嵐が去ってから何をするかを考える…。
目先に捉われず、先を見て動けということなのだろう。
そうしたことを考える時間と、心の余裕を持つことの大切さを、オジサンになってしまった今、オトウチャンは痛感している。
だからこそ、子供たちには自分を大切にするということの意味と、変化の風向きに対する身の置き方を、頼りない背中を通して伝えておきたい。
今もyahooニュースにこうあった。
日本の子供は他国の子供より長い時間勉強しているが、学力はあまり変わらず、課題解決能力など分野によっては低いくらいだとか。
台風のなか出勤し、立ち往生する大人の姿がダブった。
そのときオトウチャンは気付いてしまった。
傘、持ってない…
(終わり)
オジサン練習日誌 Vol.2
PM15:00 夏の終わりの競技場。
背中を押してくれる心地好い追い風が吹いている。
秋の勝負に向けて、息子と二人で互いの動きを確認し合った。
ヘロヘロなオトウチャンを嬉しそうに覗き見る息子。何かを隠している。
ゲッ、、、また何か捕まえやがった。
お~、タマムシですか。オトウチャン、一瞬Gかと思ったよ。
タマムシ(玉虫)の玉は宝石という意味もあるのだとか。
またの名を「吉兆虫」というらしく、縁起や幸運を呼ぶと言われている。
そんなことを息子に話していたら、どこからか2匹目が飛んできた。
夕飯時、オカアチャンと姉に誇らしげにタマムシを語る息子。
そして姉が言った。
「私も今日、スーパーの階段のところでGを見たよ!」
(終わり)
夏の課題 其の2
子供たちの夏休みも最終コーナーに差し掛かった。
提出課題の整理に追われている姉とは対照的に、なぜか余裕をかましている弟。
オカアチャン「課題は全部終わってるの?」
息子「だいたい終わった。」
お!さすが。やっぱりYDKだと思ってたよ。
提出物一覧表を見てみると、すでに親の確認印が押してある。
自分で押したようだ。全く悪びれる様子もない。
オカアチャン「牛乳ヒーローの絵は?」
ギュウニュウヒーロー?
いきなり凄いテーマだが、少し恥ずかしそうに息子がその作品を見せてくれた。
おぉ~、お、、う、うまく描けたじゃないか。
【牛乳ヒーロー名】モウ牛マン
【工夫したところ、このヒーローの特徴】
このヒーローは、オーラが出ていてすごく強いです。オーラ出す時は、パワーアップしています。強く見えるようにかっこいい目にしました。
そうか、考えて描いたんだね。
いつかモウ牛マンのように、オーラが出せる強い男になろうな。
(終わり)
オジサン練習日誌 Vol.1
トップスピードのまま無理なく踏み切る。
言葉ではこれだけのこと。でもそれが思うようにできないから、悔しくて、余計に熱くなってしまう。シュウゾウみたく。
勝負への欲もある。それともうひとつ、できない自分を超えたという自己満足。これが欲しい。明日への自信になるから。
オトウチャン、なかなか治らない、しかもつまらない「癖」がある。
女癖ではない。走りの癖である。
長い月日で染み着いたものは、自分に定着しているから、簡単には治らない。
逆に治そうとする意識が低かったから、「癖」になってしまったわけで。
でもこういったことと向き合わない限り、中年が大きく飛躍することは、きっと難しいのだろう。
腹回りの脂肪を無視しては、先に進めない。
第二の青春も楽ではないが、夢中になれる時間は有難い。
(終わり)
ホントに雑記 其の3
オトウチャンの自室[2F]には、エアコン[AC]がない。
リビング[L/1F]のACは基本稼働しているので、今はLに隣接する和室の間仕切りを全開にして、そこでブログ書いたり、寝起きしたりしている。
オカアチャンと子供が使う寝室[2F/AC有]に、もう一枚布団を敷くスペースは残されてはいるが、そこにオトウチャンが並ぶことはない。イビキが凄いらしい。
和室にはこの夏に捕獲したカブ・クワがいる。
夜中から朝方にかけての活動が激しく、ワシャワシャ、ブ~ン、ギュイギュイと大変賑やかになる。
それでも床に就けば即寝のR40。眠りの支障にはならず、全然気にならない。
夏はトレーニング疲れが抜けにくく、耳元に虫かごを置こうが、スマホのアラーム音を最大にしようが、全く眠りから覚めないオトウチャンに対し、息子がこう言った。
「オナラーム… 」
オトウチャンにおしりを向けている。
"おなら"への反応スピードは100mのスタート反応のそれを上回る。
まだまだ練習が足りないようだ。
※くだらない話でゴメンナサイ
(終わり)
夏の思い出(上高地・高山)
PM14:00
只今、子供たちとオカアチャンは外出中。
久々に訪れた静かな時間、いつもよりエアコンの送風音がしっかり聞こえる。
コンビニで買ったかき氷を食べながら、ひとりパソコンを開く。
オジサンのブログにも、少しは映える夏旅写真を。
雄大な自然と戯れ...
古い街並みを汗だくで歩き...
喉と体を心地良く冷やして...
囲炉裏で心を解きほぐし...
アツアツの風味と香りで昇天。
上高地(長野)から高山(岐阜)を巡る小さな旅の記憶。
子供たちとの濃密すぎる夏の時間は、何かと体力との勝負である。(気がする)
沢山の思い出を残してあげたい。
その反動が、約2週間のブログ未更新であります。はい。
継続は「体力」ナリよ。
とりあえず今日から、ちゃんとするナリ。(アカスケ)
(終わり)
ぼくのなつやすみ
AM5:00、ぼくはまだ夢の中。
あれ?なんか顔がチクチクする。う~痛い…このジョリジョリ感は...。
ふと目を開けるとそこにオトウチャン。そうか、ヒゲ攻撃か。
無理やり起こされたぼく。でもそれが遊びに行く合図だと、すぐに分かった。
とりあえず、虫かごを持って車に乗り込んだ。
オトウチャンはいつものように小さな音でスムース・ジャズを聴き始めた。
そしてぼくもいつものようにもう一度眠りに入った。
また顔がチクチクする。う~痛い…どこかに到着した合図だ。
車から降りると、ちょっと肌寒い。緑の匂いと川の流れる音がした。
そうか、釣りか。
竿を垂らして1時間程すると、急に雨が降ってきた。
それから雨は強くなったり、弱くなったりを繰り返した。
オトウチャンはずぶ濡れになりながら、「喰いがいい」とか言いながら、釣りを続けている。
ぼくは橋の下で雨を凌ぎながら、終わりのときを待った。
計15匹のニジマスをゲットした。
オトウチャンは池に落ちたみたいにビショビショになっていたけど、とても嬉しそうだった。
ぼくは隣接するキャンプ場で、ハサミを使って魚の下処理を手伝った。
帰りにオトウチャンと温泉に立ち寄った。
受付のおばちゃんがずぶ濡れのオトウチャンを見て、少し驚いていたように見えた。
その日の晩、ぼくが釣ってきたニジマスをオトウチャンが焼いてくれた。
「… 美味い …」
そう言うと、オトウチャンはニヤニヤしながらまたヒゲ攻撃をしてきた。
あと9匹も残っている。
(終わり)