オジサン練習日誌 Vol.3(うどん編)
風呂で寝てしまったらしく、娘に起こされた。
ずっと出てこないから心配してくれたそうだ。なんか...嬉しい。
オトウチャンの親父もそうだった。よく風呂から地鳴りのようなイビキが聞こえたっけ。
今日も富士山の麓で練習してきた。毎度のことながら競技場は貸し切り状態だ。
雪化粧した富士山が競技シーズンの終わりを感じさせるなか、息子は半そで短パンで黙々と練習に取り組んでいた。
家ではオカアチャンにべったりの息子も、競技場ではオトコの顔になっている。
いい面構えになってきた.....
成長の感慨に浸るオトウチャンに息子が言ってきた。
「ここのトイレが怖くて一人で行けない.....」
雲の中から富士山が顔を出した。
ミニハードルで踏切手前の動きを練習中。
富士山の競技場で練習する日の楽しみは、お昼に食べるご当地うどん。
富士吉田市周辺には50店舗程のうどん店があるそうなのだが、息子は全部試してみたいと言う。
そういったリクエスト、オトウチャンは嫌いではない。
【みうらうどん】
吉田うどんの名店。のれんを見てつい笑みがこぼれる。
肉つけ。胃袋アカチャンの息子も残さず平らげる。
オトウチャンはいつもの月見肉うどん(大)。
【彩花】
威風堂々、行列に向かって歩くちっちゃいオッサン。
カウンターに腰掛け、そのときを静かに待つ。
無言でガッツく息子。
オトウチャンはここでもお決まりの肉うどん(大)。
最近、オトウチャンは気付いた。息子の注文の仕方について。
うどんのときも牛丼のときもカレーのときも、慣れたオッサンのように、必ず何かをトッピングして注文をする。
テーブルに置いてある自家製の漬物などにも手を伸ばし、自分好みの味を楽しんでいる。
そして会計後の「ごちそうさまでしたっ!」がデカい。
その姿はオッサンそのものだ。
うどん全店制覇するころの息子が、ちょっと楽しみ。
(終わり)