男ふたりの旅(万座温泉)
息子と男ふたりの温泉旅。ここを訪れるのは今回で4度目だ。
日常から解放された自由気ままな時間には、計画性も何もない。
標高1800mに沸く高地温泉を目指す。道中の想定外(スリップ多発)にも男同士は慌てない。
大丈夫、心配はいらないさ。ゆっくり進んで行こう。
気温は-3℃。ひっそりと静まり返った雪道を歩きながら、息子は何を思う。
息子「カッコいい車があるよ!」
前日の吹雪でふんわりと出来上がった模様。
古くから湯治場として多くの湯治客に利用されている万座温泉。
冬場はスキー客らしき若い姿も目立つ。ツアーバスも来ていた。
スキーウェアをまとった女性は皆可愛く見えるのは、今も昔も変わらない。
いつの時代も男は騙される。
泉質は濃厚硫黄の酸性硫黄泉。毎冬、乾燥肌で保湿クリームべっとりのオトウチャンと息子。
ここでは入浴後の痒みを気にしない。
帰路で立ち合えた浅間山。息子は温泉の余韻に浸りながら、車の中で眠っていた。
その無垢な寝顔と美しい景色を眺めながら、しばし時間を忘れた。
でも陽が傾き始めると、冬山の道路は安心できない。飛ばさず帰ろう。
オトウチャンの楽しみに付き合ってくれた息子に感謝の回転寿司。
一貫もの(少々高いやつ)を躊躇なくオーダーしてくる。
実家に立ち寄り、お土産をお裾分けする息子。
2019年も残り3日。
来年もまた、こうした大切な時間のために、ゆっくり頑張ろうと思う。
(終わり)