ときを超えて 其の2
<前回の続き>
大学、就職と流されるように過ごしていた、26歳の夏のこと。
帰省中の実家で、暇つぶしに広げた地元新聞の記事に目が留まった。
「※※中学の女子生徒(以下Bさん)走り幅跳びで全国優勝」
アカスケと同じ、母校の生徒だった。
忘れかけていた記憶。少しだけ、ほんの少しだけ、複雑な思いがした。
それから数十年後、その女子生徒は教師となっていた。
そのことを知ったのは、アカスケの娘が地元の小学校に入学したときのこと。
保護者宛の学校便りに、見覚えのある女性の名前。ん?Bさん?
思わず娘に聞いてみた。
父「この先生に教わったことある?」
娘「体育を教わった…」
そして娘5年生の春、クラス替えに伴い、新しい担任の先生が決まった。
娘「新しい先生、誰だと思う?」
娘「…. B先生だよ」
全校生徒600名程が通う小学校。
まさかとは思ったが、まだまだ偶然は続く。
(つづく)